2021.06.29 プレスリリース

MaaS Tech Japan、交通データ×人流データによる混雑予測情報提供を通じた行動変容効果の検証結果を公表

〜利用者*1の約半数が混雑予測情報により移動時間を変更〜

 株式会社MaaS Tech Japan (本社:東京都千代田区、代表取締役:日高 洋祐、以下「MaaS Tech Japan」) は、当社の移動情報統合データ基盤「TraISARE*2のユースケースとして公開した混雑情報ダッシュボード「PeopleFlow」を活用し、混雑予測情報提供を通じた行動変容提案の可能性に関する評価検証を目的とした調査(以下、本調査)を実施しましたので、その結果を公表いたします。
 本調査により、移動時間や行き先を変更できないやむを得ない理由がない「PeopleFlow」利用者(以下、変更可能ユーザー)のうち55.8%に、移動時間を変更しようと考える意識変容が生じ、うち95.8%が実際に移動時間を変更したことを確認し、混雑予測情報を通じた行動変容提案に一定の効果があることが確認できました。

1.背景・目的

 MaaS Tech Japanでは、様々な移動関連データのシームレスな連携を実現する移動情報統合データ基盤「TraISARE」(以下、TraISARE)の開発を進めておりますが、2021年5月、TraISAREのユースケースとして、混雑予測情報を提供する混雑情報ダッシュボード「PeopleFlow」(以下、PeopleFlow)を公開しました。
 PeopleFlowは交通データと人流データを組み合わせた分析により、平常時だけでなく、電車の遅延発生時等イレギュラー時における混雑参考情報を提供し、人々の混雑を避けた安心・安全な移動を支援することを目的としており、公開に合わせ、PeopleFlowを活用した混雑予測情報提供による人々の行動変容提案の可能性について評価検証として、利用者を対象とした意識変容・行動変容に関する調査を行いました。

2. 調査結果

(1) 意識変容・行動変容
 移動予測情報の提供による利用者の移動に関する意識変容・行動変容に関する調査結果は以下のとおりです。

① 調査対象者238名のなかの変更可能ユーザー86名のうち、55.8%が、目的地の混雑を知り、移動時間を変更しようと考え(表1)、そのうち95.8%が、実際に移動時間を変更した(表2)との結果を得たことから、混雑予測情報の提供は意識変容・行動変容に一定の効果があることが確認できました。

表1:PeopleFlowによる意識変容
表2:PeopleFlowによる行動変容

②変更更可能ユーザーの外出の目的別の意識変容度合いを見ると、買い物や外食が目的の場合約7割、趣味・習い事が目的の場合約9割と、その割合が高い(表3)ことが確認できました。

表3:外出目的別PeopleFlowによる意識変容

(2) 混雑情報サービスの有用性
 混雑情報サービスに対する有益性、利用意向に関する調査結果は以下のとおりです。

①「PeopleFlow」の混雑予測情報サービスについて、89.5%が社会に「役立つ」(表4)、81.5%が「利用したい」とそれぞれ回答し(表5)、その有用性が確認できました。

表4:混雑予測情報の有用性
表5:混雑予測情報の利用意向

②PeopleFlowの特長である交通データ×人流データによるイレギュラー時の混雑情報サービスについては、88.7%が「役に立つ」(表6)、83.2%が「利用したい」とそれぞれ回答し(表7)、利用意向については、平常時より高いこと確認できました。

表6:遅延などに対応した混雑情報サービスの有用性
表7:遅延などに対応した混雑情報サービスの利用意向

3.調査概要

(1)調査方法
 インターネット調査
(2)調査実施期間
 2021年5月12日(水)〜2021年5月17日(月)
(3)調査対象者
 1都3県在住で以下の条件に合致している方
  -週2回以上外出実績を有する
  -移動手段として鉄道を最も多く利用している
(4)サンプル数
 238

4.今後について

 今回の調査により、利用者はPeopleFlowで提供したような混雑情報サービスを必要としていること及び、混雑予測情報により、利用者の意識・行動変容を促すことができることがわかりました。今後、MaaS Tech Japanは、今回の調査から得られた知見等を踏まえ、交通事業者・自治体の皆様が利用者様向けに提供するサービス開発の支援を行うとともに、TraISAREを活用した様々なユースケース開発を進め、移動に関する社会課題解決・価値あるMaaSの社会実装に貢献してまいります。

*1 本インターネット調査対象者238人のうち、本サービスを利用いただいたユーザーで、かつ、移動時間や行き先を変更できないやむを得ない理由がある利用者を除いた、86人の方を対象とした集計値
*2移動情報統合データ基盤「TraISARE」の開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「Connected Industries推進のための協調領域データ共有・AIシステム開発促進事業」の助成を受けて実施しております。

■関連リンク

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【本件問合せ先】
株式会社MaaS Tech Japan
広報 森
pr@maas.co.jp